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学協会 Archive

Finch! Finch, Finch?

英国社会科学評議会(Academy of Social Sciences)が,11月29,30日に,「IMPLEMENTING 'FINCH'」を開催していました。会議は,フィンチ氏によるイントロがあり,人社系の,学会・大学・企業・図書館からの発表をはじめとして,出版社も交えたパネルディスカッション,アメリカの大学・学会の所見,ビジネスモデルなどがトピックとなっていました。Times Higher Educationの記事によれば,アメリカからの参加者は,Finchモデルがアメリカでも採られるとは見ていないようで,「政府からの補助金(handout)」という認識のようです。

会議の模様は,同評議会にスライド,Youtubeに動画が掲載されています。まとめてみたい方は,こちらも参考になります。

国際幹細胞学会,OAジャーナルを創刊

国際幹細胞学会(International Society for Stem Cell Research)が,来年六月にOAジャーナルStem Cell ReportsをCell Pressから創刊すると発表していました。どのようなビジネスモデルなのかは不明です。

山中先生もコメントを寄せていました。

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研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会(第41回) 配付資料

研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会(第41回)の配付資料が公開されていました。

資料1 JSTの電子ジャーナル事業 (PDF:1552KB)
資料2 国立情報学研究所の学術情報発信・流通(循環)の促進に関する事業について (PDF:1628KB)
資料3 学術情報流通に関わる国立国会図書館の取組 (PDF:1366KB)
資料4 日本学術会議-文部科学省協同による学術誌に関する予備調査について (PDF:503KB)
資料5 東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の検討の視点
資料6 今後の学術情報基盤作業部会の日程について
参考資料 学術情報基盤作業部会(第40回)で出された主な意見

研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会(第40回) 配付資料

研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会(第40回)の配付資料が公開されていました。

資料1 学術情報の発信 日本言語学会
資料2 経済学の国際学術情報発信-日本経済学会の取り組み-
資料3 日本からの学術成果の発信 日本植物生理学会の取り組み
資料4 科学研究費補助金(研究成果公開促進費)学術定期刊行物の現状について (PDF:471KB)
資料5 科学研究費補助金「研究成果公開促進費」の在り方について(報告)(平成11年8月25日 学術審議会科学研究費分科会企画・評価部会 研究成果公開促進費の在り方に関するワーキンググループ)
資料6 今後の学術情報基盤作業部会の日程について
参考資料 学術情報基盤作業部会(第39回)で出された主な意見

研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会(第39回) 議事録

文部科学省 科学技術・学術審議会 学術分科会 研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会(第39回)の議事録が公開されていました。日本物理学会と電子情報通信学会の情報発信について発表と討議がなされています。

科学研究費補助金に関し当面講ずべき措置について(これまでの審議のまとめ)


科学研究費補助金に関し当面講ずべき措置について(これまでの審議のまとめ)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/gaiyou/1283490.htm

情報技術の発展と研究成果公開促進費との関係

○ 学術情報の流通にあたり,オープンアクセスや機関リポジトリなどの取組が進められており,研究成果公開促進費の対象とするものの多くは,こうした情報技術により対応が可能である。

○ 例えば,データベースについては,昔はデータベースシステムを構築できるような計算資源は限られており科研費による支援が必要であったが,その後,状況は大きく変わっており,様々なところでデータベースの構築は可能であることから,今後は,研究者等の自主的な取組に委ねることも考えられる。

○ また,定期刊行物などの学会誌の刊行への支援について,オープンアクセスへ向けた機関リポジトリのような技術を活用する方法もある。こうした新しい情報技術を使うことにより,税金でサポートした研究成果に誰もがアクセスでき,公平性や透明性が確保され,説明責任も果たせるという面がある。さらに,機関リポジトリを活用することにより,世界中に容易に流通可能となるとともに,どれだけアクセスされたか,何回ダウンロードされたかの情報やサイテーション情報を自動的に把握することも可能となる。

○ その一方で,電子媒体に対する不安から,紙などの旧媒体によるシステムをある程度維持すべきであるとの意見もあった。

○ こうした様々な問題を含め,現在,デジタル化・ネットワーク化が進展する中で学術情報基盤作業部会において学術情報の流通の仕方について検討が進められており,こうした問題については,学術情報基盤作業部会での議論も踏まえながら,引き続き検討すべきである。

参考:
第5期研究費部会(第4回) 議事要旨
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/018/gijiroku/1280935.htm
(有川先生の意見が反映されたのでしょうか?)

[drf:1221] 『大学図書館の整備及び学術情報 流通の在り方について(審議のま とめ)』が報告されました
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drfml/msg01215.html

国内学術誌 存続の危機(読売新聞)

 読売新聞が,連載「科学立国の明日」で「国内学術誌 存続の危機」を掲載していました。
 内容は,昨年10月に掲載した記事のおさらいと,NIIの根岸先生のインタビューを合わせたものになっています。

昨年、ノーベル物理学賞を受賞した小林誠、益川敏英両博士の論文も掲載された理論物理学の学術論文誌「プログレス・オブ・セオリティカル・フィジックス」が、危機に陥っている。「補助金がこのまま減れば、存続も危うい」。編集長の九後太一(くごたいち)・京都大教授は、台所事情の苦しさを訴える。

小林・益川両氏も論文発表、伝統の学術誌が赤字で廃刊危機
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081009-OYT1T00429.htm

定点観測:日本の学協会のIR対応200806

日本パーソナリティ心理学会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jspp/pub_jjp/kaisei.pdf


「パーソナリティ研究」掲載論文の転載等に関する申し合わせ 2008年1月
「パーソナリティ研究」に掲載された論文の転載等については当分の間以下のように取り 扱う。
1.「パーソナリティ研究」に掲載された論文の本文全文または大部分を書籍等に転載する際には,原則として論文の第一著者,または書籍等を発行する出版社等が常任理事会に転載の許可を申請し,常任理事会の審議を経て許可するものとする。
2.掲載された論文を機関リポジトリ,論文サーバー等にアップロードする場合には,著者または利用する機関が常任理事会に転載の許可を申請し,常任理事会の審議を経て許可するものとする。許可を得た場合には学会が提供する論文pdfをそのまま利用するか,採択後に提出した最終原稿を用いることとし,採択前の原稿や掲載後に修正された論文は用いない。

組織学会 著作物利用許諾契約書(案)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/aos/pdf/note1.pdf


第2項の規定にかかわらず、本出版物の出版から12か月が経過した後であっ て、甲が乙ないし乙が指定した第三者が管理する本出版物のWeb サイトへの リンクを設定した場合には、甲は、甲自身のWeb サイト、ないし甲の所属する研究教育機関の機関リポジトリにおいて本著作物を利用することができる。

日本農薬学会 第34回編集委員会議事録
http://wwwsoc.nii.ac.jp/pssj2/journal/kiji/kiji33-2.html#03


機関リポジトリの要請に対して,昨年1件承認したこと,今後も著作権が農薬学会にあることを確認の上で基本的に了承していくことについて報告があった.

NIH PAP 2007への反応

 アメリカ出版者協会,国際科学技術医学出版社協会がそれぞれ先月法制化されたNIH PAP 2007(注:便宜的にこう呼びます。正式なものではありません)に対して,緊急のお知らせを出していました。今回の決定を非難する内容で,NIH PAPが科学出版や関連知的財産権に与える負の影響について引き続き議会に呼びかけていくこと,新しい方針を実施する前にパブリックコメントの機会を与える等の手順をNIHに求めることなどが書かれていました。Suber氏はそれぞれのリリースに対し,反論を載せています。Schuba.jpg

Publishers Say Enactment of NIH Mandate on Journal Articles Undermines Intellectual Property Rights Essential to Science Publishing
http://www.pspcentral.org/publications/AAP_press_release_NIH_mandatory_policy.pdf

STM comments on U. S. National Institutes of Health Unfunded Mandate
https://mx2.arl.org/Lists/SPARC-OAForum/Message/4142.html

Policy Changes In Budget Bill
http://pubs.acs.org/cen/news/86/i01/8601notw4.html

NIH OA Mandate Passes
http://gslis.simmons.edu/mw/openaccess/Main_Page

http://www.the-scientist.com/blog/browse/date/2008-01/

http://www.earlham.edu/~peters/fos/2008/01/aappsp-response-to-oa-mandate-at-nih.html
http://www.earlham.edu/~peters/fos/2008/01/stm-response-to-oa-mandate-at-nih.html

日本物理学会誌,バックナンバーを無料公開

  • Posted by: smine
  • 2007年12月27日 15:24
  • 学協会

 日本物理学会が,日本物理学会誌のバックナンバー(刊行後2年経過したもの全て)をCiNiiで無料公開したと発表していました。JPSJとPTPは引き続き有料です。


http://ci.nii.ac.jp/vol_issue/nels/AN00196952_jp.html

SCOAP3によるオープン・アクセスの運動について(日本物理学会)

日本物理学会と高エネ研が,SCOAP3について対応し始めたようです。最後の一文が,示唆的です。

今年7月にCERN所長より文科省とKEK機構長あてに、SCOAP3(Sponsoring consortium for Open Access Publishing in Particle Physics)の提案と問い合わせが届きました。これは学術雑誌の高騰を背景に、公共の費用による研究成果は全世界に対してオープンであるべきという動機から発案されたもので、巨大研究機関を中心に行われている高エネルギー物理分野の雑誌から開始しようという試みです。オープン・アクセス化の実現に必要な経費は、各国財政機関・研究機関・図書館連合などから調達しようとするもので、文科省への問い合わせもこのことに関連しています。一方、日本物理学会ではJPSJやPTPという固有の学術誌を有しており、上記のような巨額の新たな資金の流れは、これらの学術誌に大きな影響を与えます。先刻、KEKの機構長の呼びかけでKEK関係者と物理学会の代表とにより話し合いがもたれ、意見交換の後、この問題を検討するWGを立ち上げ早急に検討することになりました。このWGでの検討結果を踏まえ、文科省へ回答することになりました。高エネルギー物理関係者にも十分な情報が届いていなかったので、物理学会が中心になってこの問題を検討していることをここにお知らせしておきます。

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/openaccess/open.html

CERNは,日本原子力研究開発機構図書館とも接触をとっているようです。
上記記載は誤りであるとのご指摘を,日本原子力研究開発機構図書館様から頂きました。下記のURLも日本原子力研究開発機構図書館様とは無関係です。お詫びして訂正致します。
http://cern71190.nobody.jp/visitors/18octobre07/18octobre07.html

SCOAP3,2008年にも本格始動

 高エネルギー物理学分野のコアジャーナルを全てOAにすることを計画している研究機関・助成機関・図書館のコンソーシアムであるSCOAP3(Sponsoring Consortium for Open Access Publishing in Particle Physics)ですが,来年にも実現に向けて本格的に始動するようです。PR16.06.gif
 高エネ分野の1論文あたりの刊行費用は1000~2000ユーロで,OAへ移行すると年間1000万ユーロかかると算出しており,一方で,コアジャーナル1タイトルあたりの購読料は高いものだと1万ユーロ,世界中の購読機関が500程度あるので計500万ユーロとなることを考えるといわずもがなということに。費用分担は論文数によって決まるようで,アメリカ(24.3%),ドイツ(9.1%),日本(7.1%)以下・・・となっています。
 高エネ分野のコアジャーナルは,4出版社・学会が出している6タイトルあり,ここに大部分の論文が発表されるので,SCOAP3はこれらの出版社・学会と詰めの協議に入る模様です。隣接分野もあるので,より多くの関連機関を巻き込むことで一気にOA化してしまおうという勢いが感じられます。論文というモノを持っている出版社・学協会が一度OA化を決断すれば,IRよりも数段のインパクトがあるでしょう。事実,分野によっては中小出版社によって多くのOA論文が提供されているわけですから。

Particle physicists push for publishing changes. Research Information. October/November 2007.
http://www.researchinformation.info/features/feature.php?feature_id=148

http://crds.jst.go.jp/watcher/data/264-002.html

NII-ELSコンテンツの機関リポジトリへの提供許諾条件一覧

 NIIが「NII-ELSコンテンツの機関リポジトリへの提供許諾条件一覧」を公開していました。無料公開している範囲は認める学協会誌,認めない学協会誌,その他の条件のある学協会誌の三分類でリスト化されています。現時点では,学協会著作権ポリシーデータベースには,NIIのデータは反映されていないようです。

アメリカ出版者協会がロビー団体「PRISM」を結成

 アメリカ出版者協会が, 政府のオープンアクセス政策に反対するロビー団体「PRISM(The Partnership for Research Integrity in Science and Medicine)」を結成していました。査読制を損なう,政府の検閲,政府予算の不確実性,出版社・学会との重複・非効率などを主な理由として色々と政府によるオープンアクセス義務化に反論するための材料を提供しています。また,一悶着ありそうです。

学協会の機能強化のために(日本学術会議)

  • Posted by: smine
  • 2007年7月19日 21:42
  • 学協会

 日本学術会議の科学者委員会学協会の機能強化方策検討等分科会が,先日実施した「学協会の機能強化方策検討のためのアンケート調査」をまとめた報告書「学協会の機能強化のために」を公開していました。

 論文誌を発行しているのは91.2%,電子ジャーナル化の取組みを行っているのは31.5%だそうです。(電子ジャーナル「化」というのが泣かせます)。財政状況が赤字なところがどの規模でも3割前後あるのが驚きです。

http://www.scj.go.jp/ja/info/iinkai/renkei/index.html
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-t39-g.pdf (本文)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-t39-gs.pdf (参考資料)

日本生態学会の機関リポジトリに対する姿勢

 日本生態学会のWebサイトに,「本学会の学会誌に掲載された論文の大学図書館などへの再掲載(機関リポジトリ)に関するお知らせ」(会員向け)と「機関リポジトリに対する手続きについて」(各機関向け),機関リポジトリ登録依頼書(様式1),日本生態学会論文等リポジトリ登録許可証(様式2)が公開されていました。いわゆる,GreenあるいはBlueな立場ですが,


  1. 機関リポジトリに取り組んでいる大学図書館等の機関から申請があれば再掲載を許可する

  2. 機関リポジトリ事業に取り組んでいる大学図書館等が日本生態学会の学会誌の論文登録をしたい場合は,本会指定の申請書類(申請書類のページ参照)を学会事務局に提出しなければなりません。提出された書類を審査し,問題がなければ許可証を発行します

  3. 大学図書館等はその機関所属の生態学会会員に対し,学会誌に掲載された論文の最終原稿の提出を要請します.機関リポジトリへ協力可能な本会会員は最終原稿を当該機関に提出してください

  4. リポジトリ登録の依頼を受けた場合,編集事務局に最終的に提出した論文原稿をリポジトリ登録用原稿として提出


と手の込んだ手続きをしないといけないようです。「日本」の学会がこうした機関リポジトリを対象とした規定を明確にし公表している例は他にあるのでしょうか?<SCPJのみなさま

日本材料学会 http://www.jsms.jp/kaishi/ripo.htm
日本アフリカ学会『アフリカ研究』掲載論考のウエブサイト公開について(2007年3月31日) http://wwwsoc.nii.ac.jp/africa/j/about_jaas/rijikai.html

DC Principles,政府の義務化に反対を表明

  • Posted by: smine
  • 2007年2月21日 12:49
  • 学協会

 DC Principlesが「Nonprofit Publishers Oppose Government Mandates for Scientific Publishing」を公開していました。要約すると,


  1. 政府助成研究に対する無料アクセスの義務を課すことは,学術雑誌,科学者,ひいては公衆にも悪影響を与える

  2. 政府助成研究を載せる割合が高い雑誌の予約購読を減少させ,結果として査読や学会の教育活動にも悪影響を与える

  3. 乏しい研究費から費用を出さねばならなくなる,多くの助成を受けている科学者だけが研究成果を発表できることになる,学術雑誌が査読にあまり費用をかけられなくなる,研究者の教育・支援活動を学術雑誌の収入に依存している学協会に悪影響を与える


これまでに学協会は,重要な研究はすぐに無料でオンラインで提供したり,抄録は無料提供し,所得の低い国々には無料アクセスを提供しているなどしているのだから,政府が政府助成研究へのオープンアクセスを求めることは,結果として,独立出版社がすでに維持しているオンラインアーカイブと重複するシステムに,納税者がお金を払うことになると申しておりました。
http://www.dcprinciples.org/press/2.htm

カナダ保険研究機構のOA方針案をSPARCとCARLが支持

先月公開されたカナダ保険研究機構によるオープンアクセス方針案に対して,SPARCとCARLが支持する旨のプレスリリースを出していました。
方針案の改善点として,SPARCは以下の三点


  • 被助成者は方針に従うことを求められる
  • 的確なアーカイブやリポジトリの仕様を詳細にすること
  • 論文は即時アーカイブに登録されなければならないが,被助成者には柔軟な登録を許可し,出版社には研究者に代わって登録を行い,CIHRの方針に準拠すること

CARLは以下の三点

  • CIHR助成研究の成果を長期間にわたって保管しアクセスするためのカナダ型解決法を開発すること
  • 研究データに対するアクセスを提供するためのより構造化されたアプローチをとること
  • 方針の遵守と将来の助成交付の決定を結びつけることを保証すること

を指摘していました。

英国化学会,OAハイブリッドジャーナルを開始

  • Posted by: smine
  • 2006年10月 3日 15:54
  • 学協会

英国化学会(RSC)がOAハイブリッドジャーナルを提供するプログラム「Open Science」を開始するそうです。同会刊行雑誌に掲載が決まった著者は,1,000ポンドから2,500ポンドを支払うことで論文をWeb上で誰でも読めるようになります。王立協会のもの(1ページ単位での課金)ほどあからさまではないですが,著作権やセルフアーカイビングの締め付けはほかの出版社よりも厳しそうです。ほかがやっているからうちも,という流れになりつつあるのでしょうか。

米国血液学会とNIHパブリックアクセス方針

米国血液学会が6日,非営利出版社とNIHとの間でNIHパブリックアクセス方針の登録手続きに関するオプションについて合意に至ったと発表していました。
 プレスリリースによると,出版社あるいは学会が論文の著者に変わって論文を全て登録する(=100%遵守)が,エンバーゴの期間も最大12か月まで猶予されるというもので,エンバーゴ期間内は登録された論文はNIH内部のみでの利用が可能となるそうです。NIHにとっては方針が(一応)遵守され,研究助成のポートフォリオの作成に利用できるということでメリットがないわけではありませんが,結局のところはエンバーゴ期間は著者ではなく出版社/学会にゆだねられているということにはかわりはないようです。

http://www.hematology.org/policy/news/alternative_public_access.cfm

ACS,著者選択型OAを10月から開始

ACSもついに著者選択型OAサービス(あるいはOAハイブリッドジャーナル)「Author Choice」の提供を10月から開始すると発表していました。著者が学会員あるいは図書館が雑誌を購読しているかによって費用は1,000〜3,000ドルになるそうです。著者は自分のWebサイトや機関リポジトリにファイルを公開することができます。

PR
http://pubs.acs.org/pressrelease/author_choice/
ACS Offers Open-Access Option To Authors
http://pubs.acs.org/cen/news/84/i36/8436notw9.html

ハイブリッド,ハイブリッド,ハイブリッド(アメリカ物理学会)

  • Posted by: smine
  • 2006年8月17日 13:00
  • 学協会

八月に入ってから連続してOAハイブリッドジャーナルの提供を開始していますが,アメリカ物理学会も「FREE TO READ」という名で,Physical Review A-E, Physical Review Letters, Reviews of Modern Physicsを対象に著者が一定額を支払えば,論文をオープンアクセスにするそうです。今後発表される論文だけでなく1893年から刊行された論文全てが対象になっていることは他の出版社に見られない特徴です(二重取り?)。金額は,Physical Review A-Eが$975,Physical Review Lettersのレター論文が$1300,Reviews of Modern Physicsはケースバイケースだそうで,支払い者は著者でなくても良いそうです(大学が支払って所属研究者が発表した論文をすべてOAにするということも可能なようです。そのような大学が存在するとは思えませんが)。APS刊行雑誌のうち,どれだけがarXivでも読めるのか正確な数字はわかりませんが,果たして物理学分野でこのサービスを利用する研究者はいるのでしょうか。

http://publish.aps.org/FREETOREAD_FAQ.html

グーグル、学術論文検索サービスの日本語版を開始(日経)

scholar_logo.pngすでにご存知の方も多いと思いますが,Google日本法人がNIIと組んで,日本の学術雑誌を対象としたGoogle Scholar日本語版の提供を年内にも開始するそうです(すでに日本語版の提供が始まっていました)。「約130学会・50万件程度の論文が検索の対象となる見込み」とありますので,CiNiiに登録されている全ての論文270万編(全文あり)がGoogleに索引されるという訳でもなさそうです(引用情報が付与されているものだけなのでしょうか?それとも学協会から許諾を得たものだけ?)。基本的なサービスはCiNiiとそれほど変わらないのだと思いますが,「自前で論文を検索するサービスを手掛けるが、グーグルと組めば利用者がさらに増えると判断した」とあるように,Googleのブランドを借りて日本発論文のvisibilityをあげるということなのでしょうか。(Google Scholarは図書館へのリンクや書誌データを落とせるようになっていたりと使いやすくなってきているようですね)

http://scholar.google.com/intl/ja/
http://scholar.google.com/intl/ja/scholar/about.html
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=NN000Y554%2006082006

英国王立協会刊行誌がOAハイブリッドを実験

昨年度はオープンアクセスをめぐって一悶着あった英国王立協会ですが,1665年刊行の伝統誌Philosophical Transactions of the Royal Societyをはじめとする同協会が刊行する学術雑誌をいわゆるオープンアクセスハイブリッド雑誌にする試み「EXiS Open Choice」が行われるそうです。
 これまでSpringerをはじめとして著者支払額の単位は一論文当たりでしたが,王立協会の場合1ページあたり300ポンド(553ドル,439ユーロに相当)を支払う必要があります。非常に簡単なものですが,JCRと王立協会のWebサイトから2005年のデータをもとに計算をしてみました。速報誌であれば可能かもしれませんが,それ以外ではこの金額を払うのは誰もがと言うわけにはいかないでしょう。学術雑誌刊行の費用は,投稿論文数,掲載論文数,論文/非論文のページ数から印刷郵送費,マーケティング/販売など多岐にわたっているので,それぞれの事情があるのだと思いますが,それにしても他の出版社と比較して高額です。

タイトル論文数総ページ数一論文あたりのページ数
PHILOS T ROY SOC A1922,96815.5
PHILOS T ROY SOC B1862,37212.8
BIOL LETT1335073.8
J ROY SOC INTERFACE4653611.7
NOTES REC ROY SOC2334715.1
P ROY SOC A-MATH PHY1984,05520.5
P ROY SOC B-BIOL SCI1602,65716.6

http://www.royalsoc.ac.uk/news.asp?id=4838
http://www.pubs.royalsoc.ac.uk/index.cfm?page=1334

ACSとNIHパブリックアクセス方針

  • Posted by: smine
  • 2006年3月27日 12:46
  • 学協会

先日、ACS(米国化学会)の会長であるE. Ann Nalley教授が同学会会員にメールを送ったそうで、その中で、NIHのパブリックアクセス方針について言及していました。それによると、
 ACSはこれまで著者の参加を支援することで同方針が機能するようにしてきたし、著者に代わって論文の登録作業行うことで合理化も行っている。(4%以下という低い履行率は)NIHの新方針が理解されていない、登録作業が容易でない、研究者に登録する価値がないと思われているからではないか。しかし、最近、NIHへの登録を義務化しエンバーゴを6ヶ月に短縮するよう提案している人もいれば、さらに議会で連邦政府から部分的にでも助成を受けた研究にも同様の枠組みを適用しようとする法律が議論されている。確かに、納税者は連邦政府資金による研究に資金提供をしているけれども、ACSのような学会は、査読、編集、流通、アーカイビングなどを通して研究(情報)に多大な付加価値をつけているのであるし、それには非常に多額の投資が必要となる。科学研究の価値とは、出版後も長きにわたってあり続ける。もし科学出版の費用を回収するのに6ヶ月しかないのであれば、費用対効果、品質の高い査読、永続的なアーカイブを支える制度を維持することは難しい。この学術文献の流通制度を維持することの複雑さは、必ずしも明らかではない。科学者そして市民として、私たちはこのシステムを不安定な状態にしてしまう前に、(科学出版のシステムには)全体にかかわる利益があることを議員が確信するよう強く主張すべきである。

と述べていました。
 オープンアクセスにすることによって、実際にどれだけ大学図書館が学術雑誌の講読をキャンセルするのか判然としません。物理学はarXivがあるにもかかわらず、依然として図書館は学術雑誌を講読し続けてもいます。ALPSPが最近、この件に関してレポートを出していたのは記憶に新しいところです(有料なので読めていませんが・・・)

日本版SHERPA/RoMEOにむけて

  • Posted by: smine
  • 2006年3月10日 22:00
  • 学協会

国立大学図書館協会が、日本の1730学会に対して「著作権の取扱い等に関するアンケート調査」を実施し、調査票とその結果の集計が公開されていました(回答率は41%;710)。
それによると、17%がいわゆるグリーンで、そのうち31%が書面での申込が必要、35%が出版社版PDFファイルの利用を許可していたそうです。
著者による刊行誌掲載論文のインターネット公開を「認めている」のは67学会、「認めていない」のは70学会、「検討中」が154学会、「わからない」が108学会、「回答なし」が8学会で、大半の学会は依然として明確な方針を立てていないことが浮き彫りになる結果となっています。
研究者に対する調査も実施したと聞いていますので、近いうちにこちらの結果も公表されるものと思われます。どんな結果になるのか楽しみです。

SPARCがオープンアクセスの活動計画を募集

  • Posted by: smine
  • 2005年12月14日 00:39
  • 学協会

SPARCが大学・図書館のオープンアクセスに対する取り組みをまとめた「Open Access Programs」を公開しています。現時点で、18プログラムが掲載されており、簡単な紹介とURLなどが列挙されています。現時点では、あまり利用価値はないように思えますが、より具体的な情報やプログラム実施上の問題点などを挙げることができるとよいのではないでしょうか。

英国王立協会,公開書簡に返答

  • Posted by: smine
  • 2005年12月10日 01:20
  • 学協会

英国王立協会が,先日出された会員からの公開書簡に協会長のMartin Rees卿の名で返答がされていました。詳細は追って報告します。

英国王立協会46会員によるオープンアクセス支持を求める公開書簡

  • Posted by: smine
  • 2005年12月 7日 12:22
  • 学協会

ノーベル賞受賞者5名を含む英国王立協会の会員46名が、先日出された同協会のオープンアクセスに対する反対の立場を示した声明に対して、オープンアクセスを支持するよう公開書簡を出していました。

Open Letter from Fellows of the Royal Society regarding the Society's position statement on open access

英国王立協会、オープンアクセスに対する方針を声明

  • Posted by: smine
  • 2005年11月24日 17:07
  • 学協会

英国王立協会が同協会のウェブページに、「王立協会、性急なオープンアクセスへの移行は科学を損なうと警鐘(Royal Society warns hasty ’open access’ moves may damage science)」とのプレスリリースを公開していました。方針声明の全文は「Royal Society position statement on ’open access’」で読むことができます。詳細は追って報告します。

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学術情報に関する要望及び報告のとりまとめについて(日本学術会議)

  • Posted by: smine
  • 2005年9月30日 23:56
  • 学協会

日本学術会議の会長コメントに「学術情報に関する要望及び報告のとりまとめについて」が15日付で公表されていました。それによると、以下の報告書三点

1.第19期日本学術会議要望「電子媒体学術情報の恒久的な蓄積・保存・利用体制の整備・確立」
2.同「我が国英文学術誌による学術情報発信の推進について」及び
3.第5部応用物理学研究連絡委員会、工学共通基盤研究連絡委員会物理工学専門委員会、同光学専門委員会、同薄膜・界面物性専門委員会による報告「物理系学術誌の将来に向けて:-工学系分野の立場から-」

についてコメントされていました。

日本化学会のオープンアクセス対応

  • Posted by: smine
  • 2005年6月10日 20:32
  • 学協会

日本化学会は,Bulletin of the Chemical Society of Japan及び Chemistry Lettersに論文を投稿する著者にオープンアクセスの選択権を以下のような方式で開始することを6月1日に発表した。

1)オープンアクセスの対象は投稿論文に限定
2)オープンアクセス対象論文とするための投稿料  
  Bulletin of the Chemical Society of Japan 1論文当り 10万円
  Chemistry Letters 1論文当り 5万円
3)開始予定
  両誌とも平成17年8月号から実施

これらの両誌は,J-STAGE上でオンラインジャーナルが公開される。

我が国の代表的な学会が取り組んだオープンアクセスの事例として今後の展開に注目したい。


(日本化学会HPでのニュース)  
http://www.chemistry.or.jp/journals/bcsj/notice/bcsj_notice-050601_jp.html

ACRLが学術コミュニケーションのツールキットを更新・公開

  • Posted by: smine
  • 2005年3月11日 11:05
  • 学協会

ACRLが,「Schaolarly Communication Toolkit」を公開しており,その中に「Alternative Models for Disseminating Scholarship」 と称して,オープンアクセスと機関レポジトリについて簡潔な説明がなされていました。Toolkitは経営者向け,研究者向け,図書館員向けにそれぞれセクションが設けられており,主要トピックや文献が列挙されていました。

ブラックウェルが著者支払いモデルを試験的実施

  • Posted by: smine
  • 2005年3月 8日 02:41
  • 学協会

Blackwell Publsihing社は2月24日,いわゆる著者支払いモデルの形態を取る「Online Open」を開始することを明らかにしました。プレスリリースによると,論文を受理された著者は,2500ドルか1250ポンドを支払うことによって,Blackwell Synagyから執筆論文を無料でアクセスさせることができるそうで,冊子体の方にはその旨が付記されるとのこと。2006年末まで試験期間として行われるそうです。詳しい情報は下記を参照してください。

参照元
Online Open – a new open access journals service from Blackwell Publishing(Blackwellのプレスリリース)
Blackwell opens its arms to OA(Information World Review)

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