- 2008年3月20日 22:35
米国化学会と米国物理学会が,同学会が管理する学術雑誌やデータベースに収録された情報のWikipediaへの掲載を禁止する動きが先週あたりに問題となりました。
米国化学会,Chemical Abstracts Serviceは,他でも既に触れられているように(1,2,3),SciFinderやSTNを使ってWikipediaを含む第三者のデータベースをキュレートすることを禁止する旨を,Wikipedia Chemistry Portalのディスカッションページに告知をしました。その一週間後,方針を一転,Wikipedia Chemistry PortalのWikiprojects-Chemicals sectionにおいて,正確なCAS登録番号を提供するため,Wikipediaと協同していくことを発表しました。日本のWikipedia Chemistry Portalでは,今のところ議論になっていません。
一方,米国物理学会は,同学会が刊行するPhysical Review Lettersに投稿あるいは受理された論文(1,2)について,著者が専門分野のWiki(not Wikipedia)に論文の一部を載せるよう求めたところ,要求だけでなく当該論文自体も取り下げてしまいました。著者らは,APSに方針を変更するよう求めており,「不適切で分野の実態と全くそぐわない。科学者はできるだけ多くの読者に論文を読んでもらいたい」とBill Unruh教授は述べ,一方のAPSは,五月に著作権方針を見直す計画があるそうで,「深刻に受け止めている」そうです。
Physicists slam publishers over Wikipedia ban
http://www.newscientist.com/channel/opinion/mg19726473.300-physicists-slam-publishers-over-wikipedia-ban.html
Traditional journals and copyright transfer
http://www.damtp.cam.ac.uk/user/jono/item/toc.html
- Newer: 『研究論文集』-教育系・文系の九州地区国立大学間連携論文集- 創刊
- Older: OAジャーナルの度合い