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日本生態学会の機関リポジトリに対する姿勢

 日本生態学会のWebサイトに,「本学会の学会誌に掲載された論文の大学図書館などへの再掲載(機関リポジトリ)に関するお知らせ」(会員向け)と「機関リポジトリに対する手続きについて」(各機関向け),機関リポジトリ登録依頼書(様式1),日本生態学会論文等リポジトリ登録許可証(様式2)が公開されていました。いわゆる,GreenあるいはBlueな立場ですが,


  1. 機関リポジトリに取り組んでいる大学図書館等の機関から申請があれば再掲載を許可する

  2. 機関リポジトリ事業に取り組んでいる大学図書館等が日本生態学会の学会誌の論文登録をしたい場合は,本会指定の申請書類(申請書類のページ参照)を学会事務局に提出しなければなりません。提出された書類を審査し,問題がなければ許可証を発行します

  3. 大学図書館等はその機関所属の生態学会会員に対し,学会誌に掲載された論文の最終原稿の提出を要請します.機関リポジトリへ協力可能な本会会員は最終原稿を当該機関に提出してください

  4. リポジトリ登録の依頼を受けた場合,編集事務局に最終的に提出した論文原稿をリポジトリ登録用原稿として提出


と手の込んだ手続きをしないといけないようです。「日本」の学会がこうした機関リポジトリを対象とした規定を明確にし公表している例は他にあるのでしょうか?<SCPJのみなさま

日本材料学会 http://www.jsms.jp/kaishi/ripo.htm
日本アフリカ学会『アフリカ研究』掲載論考のウエブサイト公開について(2007年3月31日) http://wwwsoc.nii.ac.jp/africa/j/about_jaas/rijikai.html

Comments:4

SUG 2007年7月19日 11:51

知る限りですが、もっとも著者にフレンドリーなルールを明示している学会のひとつとして、情報処理学会さんがあります。

著作権規程
http://www.ipsj.or.jp/01kyotsu/chosakuken/copyright.html

FAQより
http://www.ipsj.or.jp/01kyotsu/chosakuken/faq.html
『Q:情報処理学会に掲載された自分の論文をネットワーク上で公開したいのですが、可能でしょうか?/A:著作権規程第5条の5により可能です。ただし、個人または所属のサイトに限ります。本会への申し出は必要ありませんが、出典および利用上の注意事項を明記してください。』
『Q:情報処理学会のWebサイトから自分の論文をダウンロードして複製してもかまわないでしょうか?/A:著作権規程第5条の1により、可能です。第5条の5により、公衆送信を行うことも可能です。ただし、複製して配布する場合は事前に本会への申し出[様式A]が必要です。』

土屋俊 2007年7月20日 03:39

この生態学会の取り組みは敬意に値するものだと思いますが、若干の誤解があるように思われます。
1.機関リポジトリから情報を発信するのは、研究者自身ですから、図書館はあくまで研究者を代理して作業を行っています。したがって、図書館等に対して申請させるというのは奇妙だと思います。
2.いわゆる「著者最終稿」の概念が変です。「会員向け」案内をみると、最終提出原稿の内容のリポジトリ搭載を認めていますが、どうもこの最終提出原稿は「その後の校正段階に変更・修正」あって印刷刊行されたものと内容が異なることがあるようです。これでは、リポジトリにある論文は最初から信用できないものであることになってしまって、リポジトリからの発信意欲を容易に削ぐことになります。「著者最終稿」をこの意味で使っているケースはぼくにとっては初見です。

scpj 2007年7月24日 14:13

リポジトリに好意的な規則を制定し公表している学会として、scpjではほかに、日本機械学会の例などを把握しています。
http://www.jsme.or.jp/publish/yoko/kyodaku.pdf

これまでに例示いただいた学会についてscpjで調査すると、日本材料学会だけは最新のポリシーを確認できますが、日本生態学会は古い情報(Gray)が掲載されており、日本アフリカ学会と情報処理学会は掲載すらされていません。このように、一斉調査後は個別対応となってしまい、残念ながら、最新情報を常に把握することは困難な状況ですので、scpjに掲載されておらず、当該学会HPにポリシーが掲載されていたり、scpjとは異なるポリシーが当該学会HPに掲載されていたりすることにお気づきの場合は、是非、
scpj@tulips.tsukuba.ac.jp
まで情報をお寄せいただければ幸いです。

藤田 洋 2007年8月 9日 14:38

「著者による最終論文の公開ウェブサイトへの掲載」については,
http://www.elsevier.com/framework_librarians/LibraryConnect/lcvol2no2june2004.pdf
「・・・ジャーナルのPDFまたはHTMLファイルの掲載は禁じられ,いかなる例外に対しても
エルゼビアの許可が必要となります。エルゼビアは,出版社における出版物の公式記録の
完全性を維持することが重要と考えています。そのため,ジャーナルに掲載された体裁の
最終出版バージョン(PDFまたはHTML)は,常にエルゼビアのサイトだけで公開されます。」

今回の,日本生態学会の規程もこの影響下にあるような気がします。
「著作権は日本生態学会にあるので,論文の内容はリポジトリとして公開が可能ですが,
学会誌の体裁については出版社が作ったものであるため,そのままの体裁では公開できません。」
http://www.esj.ne.jp/esj/Repository/J_Repository.html

エルゼビアが,「出版物の公式記録の完全性を維持」することを本気で考えるのであれば,
機関リポジトリにも出版社版PDFを開放すべきです。フローが出版社,ストックが大学図書館と役割分
担ができていた時代のことを思い出せば,機関リポジトリが,科学コミュニケーションの補完的装置
としてエルゼビアなどとの共通認識を持った上で,アーカイブ問題そのものをともに悩んでいくように
した方が,賢明なのではないでしょうか。

とはいえ,http://www.dlib.org/dlib/march07/davis/03davis.html
Two philosophical campsの中には,There are two opposing philosophical camps among
those who work to justifyinstitutional repositories: one that views IRs as
competition for traditionalpublishing, the other that sees IRs as a supplement to traditional publishing.
二つの立場があるにはあるようなので,機関リポジトリが補完的装置でないと考える人たちもいますが。

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