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NIH パブリックアクセス方針に関する報告書

  • Posted by: smine
  • 2006年2月17日 19:47
  • 政府 | 研究助成機関

散々叩かれながらも昨年5月に開始されたNIHのパブリックアクセス方針(PAP)ですが、先月同方針に関する報告書(PDF)が提出されたようで一般公開されていました。「はじめに、背景、達成度、実施した活動、問題点、結論、付録(著者が求めたエンバーゴ期間、NIH PAPのアウトリーチ活動)」といった構成になっており、10ページの内容となっています。

報告書は最初の八ヶ月(5/2-12/31)のデータに基づいており、その間に同方針の対象となる論文約43,000編(2004年度のデータをもとに推計;実測値ではありません)のうち、実際に登録されたのは1636編で実に4%以下でした(もともとPubMed Centralに登録されている雑誌に掲載された論文や、2005年5月以前に発表された論文は含まれていません)。そのうち、6割が出版後即時公開され、23%が10-12ヶ月後、17%がその間であったそうです。

PMCに登録される論文も年々増加しており、同期間に371,000編から515,000編となり、680万のユニークユーザが3200万論文を閲覧したそうです。登録システムの運用費用は2005年度は100万ドルで、もし全ての論文が登録されるようになった場合350万ドルかかると推定されています。

また、NIHはPAPを周知させるため内部職員にはじまり、全ての助成研究者、出版社等にメール、書類、説明会などを配布・実施しており、19大学を対象に行った調査では研究者の大半はPAPを知っていたそうで、登録率の低さの理由にはならないのではないかとしています。

ほかにも、11月の同方針のワーキンググループでは、1)登録を義務化すべきか否か、2)どのバージョンの原稿を登録すべきか、3)エンバーゴの期間をどう設定するかが質疑にあがり、大半の委員は義務化すべき、編集済みのファイルを登録すべきなどといった意見を出したそうです。

今後もNIHは利害関係者と協議しながら、同方針の履行に努めていくそうです。

Comments:2

土屋俊 2006年2月25日 10:14

この議論を経て、エルゼビアが新しいポリシーを出したわけですが、このワーキンググループのメンバーをみてもわかるように、ElsevierやNature、さらに学会出版側からも参加した構成になっています。出版者側としては、その現行の出版事業の枠をくずさないでもPAPに対応できるとみているわけです。たしかに、さまざまな参照がDOIを使ってpublisher's versionを指していて、そのページで引用しないと正当な引用でないというならば、それを見るしかないことは事実でしょう。機関リポジトリの場合でも同じですが、オープンアクセスになった著者版等が本当に利用者の役に立つようになるにはさらに一工夫が必要であるように思われます。

smine 2006年2月28日 03:29

一利用者としては、少なくとも普段研究者が出版社の電子ジャーナルのサイトで経験していることと(≒全文の入手)同等かそれ以上を機関リポジトリが提供してくれたら良いなと思います。
 研究者が出版社のサイトではなく、サーチエンジンや書誌データベース経由でも必要な論文を入手できるまでを第一段階(アクセスの提供)とすると、リンクリゾルバなどにまずは対応する・してもらうことでしょうか。
 第二段階としては、前の段階で入手した論文から別の論文へのアクセスの提供とすると、Cross Refへの対応であるとか、著者名をクリックすると全論文のリスト提供(OAとEJへのリンク)、被引用論文リストの提供、メタデータしかない論文には著者へワンクリックでポストプリントの要求メールを出せる、などとあまり新鮮味はありませんが、論文を探す際にこれらの機能が実装されていると便利だと思います。
 どこまで著者版が出版社版と同等にできるのか、同等と見てもらえるのかも気になるところです。

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