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英国王立協会、オープンアクセスに対する方針を声明

  • Posted by: smine
  • 2005年11月24日 17:07
  • 学協会

英国王立協会が同協会のウェブページに、「王立協会、性急なオープンアクセスへの移行は科学を損なうと警鐘(Royal Society warns hasty ’open access’ moves may damage science)」とのプレスリリースを公開していました。方針声明の全文は「Royal Society position statement on ’open access’」で読むことができます。詳細は追って報告します。

大雑把な要旨
 王立協会とって、研究者間や広く社会との知識交換を向上させることを目的とした新しい発展を探求することは喜ばしいことである。しかし、オープンアクセスにおける議論においてはそのアプローチが研究者間の知識の交換を阻害する恐れがあるものもある。
 Web上に論文を発表する新しいモデルには、著者支払い型の学術雑誌やリポジトリやアーカイブがある。こうした新しいオープンアクセスのモデルが潜在的に与える影響が十分に検討されているとは思えない。研究者は学術雑誌に投稿せずにリポジトリに登録するだけで済ませてしまうかも知れず、学術雑誌の予約購読数が減少すれば学協会にとってはきわめて有害である。査読を受けた学術論文を通して研究成果を流通するためには、時間とお金が必要であり、こうした費用を予約購読費、協賛費、広告費などからまかなっている。そこから得た利潤で学会や公開講義を運営しているのだから、新しいモデルはこうした活動を減少あるいはやめざるを得なくなることにつながるかもしれない。
 新しいモデルはコストや品質といった面でいまだ十分に検証されていない。また、金銭的な障壁は、知識の交換を阻害する障壁となる。研究成果を発表は分野や国によって異なるのであるから、ひとつのモデルが全てに当てはまることにはならず、全てのものにとって恩恵となりそうもない。
 以上のことから、王立協会は、研究成果を発表する新しいモデルがもたらすであろう帰結を、研究助成者、研究者、研究機関、出版社との間で議論することが望ましく、費用や便益に関して継続調査を行う必要性があると考える。それらの結果なしに、研究助成者は方針を導入するべきではない。

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学術雑誌の刊行に携わるものがオープンアクセスに関する発言をすると必ずといっていいほど、セルフアーカイビングとオープンアクセス雑誌を混同してしまうのが不思議です。確かに、セルフアーカイビングによって予約購読するうが減るのではないかという疑念はありますが、それを立証するデータはないと言われているので、根拠になりえていません。

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