Open Access Japan | オープンアクセスジャパン
論説:図書館からロー・レビューが消える日(IN-Law Newsletter)
情報ネットワーク法学会のメールマガジン「IN-Law Newsletter」に,指宿先生の「論説:図書館からロー・レビューが消える日」が掲載されていました。法学分野のオープンアクセスについての動向解説があります。以下結論分の引用。
もし,真に法律学が実務からの乖離ではなく実務と理論を架橋することを望み,社会への還元を意図するのであれば,わが国の法学教育機関はよりオープンな情報提供環境を構築するという戦略を採るべきだ。それこそ,法科大学院設立の趣旨に適うだろう。そして,図書館は図書のみの所蔵機関(ライブラリ)としての役割からサイバー空間上での学術情報の探索・収集機能を兼ね備えた「サイブラリ」へとシフトしていかねばならない。そのためには,それぞれの機関の学術情報のあり方について,ファカルティと図書館がいかに協働していくかが鍵であろう。ダーラム宣言は,国は違えども,ネットワーク時代の学術情報をめぐる高等教育機関の方向性に大きな示唆を与えているように思う。
今年度採択された科研費プロジェクト(2009)
- 2009年4月23日 17:30
2009年度新規採択の科研費で,学術情報流通関連のプロジェクトと思われるもの。他にもありましたら,コメントにてお願いします(2008年度のプロジェクト)。
ウェブ上の文書から学術論文を自動判定し,検索するシステムの設計開発
上田 修一 基盤研究(B)
知識基盤社会における看護師の学術情報利用促進モデルの構築
富田 美加 基盤研究(C)
科学者の国際労働移動によるネットワークの形成及び知識の移転と創出
村上 由紀子 基盤研究(C)
オープンサイエンスの分析と基盤的ソフトウェアの構築
萩谷 昌己 挑戦的萌芽研究
科学技術・学術政策における集中性指標の適用可能性についての数理的研究
大竹 洋平 若手研究(B)
引用ネットワーク分析におけるリンク形成手法に関する研究
梶川 裕矢 若手研究(B)
社会技術相互作用ネットワークから見たプレプリントアーカイブに関する総合的研究
三根 慎二 若手研究(B)
学術団体のあり方に関する研究
池田 駿介 特別研究促進費
機関リポジトリネットワークにおける著者及びコンテンツ識別子の諸機能に関する調査
内島 秀樹 奨励研究
機関リポジトリランキング(大学ランキング2010)
- 2009年4月14日 19:11
朝日新聞社が毎年刊行している「大学ランキング」の2010年版が本日発売されましたが,その中に土屋先生の「機関リポジトリランキング」が掲載されていました。オープンアクセスという単語が出てこないのがステキです。
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=10336
大学図書館ランキングも,逸村先生によって書かれています。
ハーヴァード大と米物理学会,OA方針に関する合意形成
- 2009年4月14日 19:06
ハーヴァード大とアメリカ物理学会が,同大のオープンアクセス方針に関して協議を持ったようで,合意内容が公開されていました。要点は,
・APSはハーバードのOA方針を容認し,著作権契約に関する補遺あるいは
放棄を求めない。ただし,以下のことを明確にすること。
ハーバードのOA方針のもとでは,APSの論文をdashに登録する際には,
・APSの許可無く出版者版の複製を利用しない
・表示・流通に料金を課さない
・出版者版へのリンクをはる
というものになっています。一大学の方針であろうと関わろうとするAPSの行動力はさすが,というところでしょうか。
http://osc-dev.hul.harvard.edu/announce.php
NIHパブリックアクセス方針が義務化されて1年(nature)
- 2009年4月 9日 08:06
2008年4月7日にNIHパブリックアクセス方針が義務化され,一年が経ちましたが,natureに関連記事が掲載されていました。一月当たりのPMCへの原稿登録数が3倍以上になっていること,ダウンロード数も一月あたり約70万件に上昇していること,ジョン・コニャーズ議員の法案は今年はほとんど可能性がないこと,NIHによる被助成者への電子メールでの督促が功を奏していることなどが,述べられています。
Meredith Wadman. Open-access policy flourishes at NIH. nature, 2009, vol.458, no.7239, p.690.
http://www.nature.com/news/2009/090408/full/458690a.html
オープンアクセス:25の誤解
- 2009年4月 3日 20:10
Peter Suber氏が,SPARC Open Access Newsletterの4月号でオープンアクセスに関する代表的な25の誤解をあげて,一つ一つ反論しています。セルフアーカイビングFAQとあわせて,教員に説明するときの資料として役に立ちそうです。
- オープンアクセスは,オープンアクセスジャーナルのことですよね
- 自発的なセルフアーカイビングが低いレベルなのは,オープンアクセスへの反対を反映しているんですよね
- オープンアクセス・アーカイビングは,雑誌の予約購読を減らしますよね
- オープンアクセスは,査読を回避することですよね
- OK,でもオープンアクセスジャーナルはしっかりとした査読をしないんですよね
- OK,でも少なくともセルフアーカイビングは査読を回避することですよね
- オープンアクセスは,貪欲な・邪魔な出版者を追放することですよね
- オープンアクセスジャーナルは,たぶん自分で自分の勘定払えないですよね(経営的に成り立たないですよね)
- オープンアクセスは,ビジネスモデルです
- 全てのオープンアクセスジャーナルは出版費用を課しています
- OK,でも質の高いオープンアクセスジャーナルはみんな出版費用を課してますよね
- オープンアクセスジャーナルの出版費用は,著者が自腹で払わないといけないんですよね
- オープンアクセスジャーナルの出版費用は,単に予約購読費の形を変えただけですよね
- オープンアクセスは,著者から印税を奪うんですよね
- プレプリントのアーカイビングは著作権の侵害ですよね
- ポストプリントのアーカイビングは著作権の侵害ですよね
- セルフアーカイビングってめちゃくちゃ時間かかりますよね
- セルフアーカイビングって,研究成果を公表するというよりも隠しますよね
- オープンアクセスは,剽窃をまねきますよね
- 著者は,著名な出版物かオープンアクセスどちらかを選ばないといけないんですよね
- オープンアクセスって,読者にはいいけど著者には役に立たないよね
- オープンアクセスって,無料だけのことですよね
- オープンアクセスって,素人にアクセスを提供することですよね
- オープンアクセスって,二流の成果にはいいけど,一流のものには意味ないですよね
- 今のシステムって,崩壊してないですよね
http://www.earlham.edu/~peters/fos/newsletter/04-02-09.htm
DOAJとKBがOAジャーナルの長期保存に向けて協力開始
スウェーデンのルンド大学によるDOAJとオランダのKBが,DOAJに収録されているOAジャーナル4000タイトルをKBのe-Depotで保存することに向けて協力を開始したと発表していました。まずは保存に向けてOAジャーナルを処理するワークフローを確立するためのパイロットプロジェクトを実施しているそうです。
学術情報流通の未来における出版社の役割―シュプリンガー社会長に聞く(情報管理)
情報管理の最新号に,「学術情報流通の未来における出版社の役割―シュプリンガー社会長に聞く」が掲載されていました。BMC買収の意図や経緯等が詳細に述べられていたり,シュプリンガーのオープンアクセスに対する見解など面白い内容になっています。
オープンアクセスはビジネス上の選択であり,そこに市場原理が働くとみています。シュプリンガーは,オープンアクセスを導入することで,導入しない場合よりも急速に成長すると考えています。それ以上でも,それ以下で もありません。
Derk Haank, Wim van der Stelt, インタビューと翻訳:熊谷 玲美. “学術情報流通の未来における出版社の役割 シュプリンガー社会長に聞く”. 情報管理. Vol. 52, No. 1, (2009), 2-11 .
http://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/52/1/52_2/_article/-char/ja
E-journals: their use, value and impact(CIBER)
RINがCIBERに委託した研究の(必要以上にスタイリッシュな)報告書が公開されていました。いつもの深層ログ分析,図書館統計(EJ予算規模),機関レベルの論文生産性・被引用数などの変数を組み合わせて分析をしているようです。
E-journals: their use, value and impact
概要:
http://www.rin.ac.uk/files/E-journals_use_value_impact_April2009.pdf
EVALUATING THE USAGE AND IMPACT OF E-JOURNALS IN THE UK: AIMS, SCOPE, METHODS AND RESEARCH CONTEXT
http://www.rin.ac.uk/files/Aims_scope_methods_context_CIBER_ejournals_working_paper.pdf
EVALUATING THE USAGE AND IMPACT OF E-JOURNALS IN THE UK: INFORMATION USAGE AND SEEKING BEHAVIOUR SUBJECT AND INSTITUTIONAL PROFILES
http://www.rin.ac.uk/files/Information_usage_behaviour_CIBER_ejournals_working_paper.pdf
EVALUATING THE USAGE AND IMPACT OF E-JOURNALS IN THE UK: BIBLIOMETRIC INDICATORS FOR CASE STUDY INSTITUTIONS
http://www.rin.ac.uk/files/Bibliometric_indicators_CIBER_ejournals_working_paper.pdf
EVALUATING THE USAGE AND IMPACT OF E-JOURNALS IN THE UK: JOURNAL SPENDING, USE AND RESEARCH OUTCOMES: A UK INSTITUTIONAL ANALYSIS
http://www.rin.ac.uk/files/Journal_spending_use_outcomes_CIBER_ejournals_working_paper.pdf
学術論文:オープンアクセス、日本でも本格始動 情報共有に期待大(毎日新聞)
- 2009年3月22日 13:07
インターネットの普及に伴い、世界中の研究者が書く学術論文の公開方法に大きな変化が起きている。出版社から学術雑誌を購入して論文を読むというスタイルに代わり、ネット上で電子化された論文を読むことが主流となった。同時にネット上の論文を無料で閲覧、検索、配布などができるようにする「オープンアクセス(OA)」の試みが進んでいる。日本で昨年、本格始動した一つのOA活動を切り口に、すべての市民の手に学術情報を共有しようとするOA化の取り組みを探った
http://mainichi.jp/life/electronics/news/20090322ddm016040034000c.html