Open Access Japan | オープンアクセスジャパン
アメリカ心理学会,助成論文のPMC登録に課金
- 2008年7月16日 09:02
アメリカ心理学会が,「APA Publishing Options and Related Deposit Fees」を公開していました。それによると,NIH PAPやWellcome Trustの方針の対象となる論文は,PubMed Centralへの登録費用として2,500ドル(WTは4,000ドル)が著者の大学に請求されるそうです(グラントからの支出として)。登録された論文は,APAのEJプラットフォームであるPsycARTICLESからも(無料で?)利用できるようになります。
著者最終稿のWordファイルが,APAによって適切な時期に(いつ?)PMCに登録されるわけですが,著者が登録することができず,PMC以外のリポジトリにも登録できず,著作権もAPAが保有する仕組みだそうです。ちなみに,APAはいわゆるGreenな学会なので,NIH PAPやWTから助成を受けていると上記のようなことになってしまうということになります。
追記(2008/7/17)
とりあえず,再検討扱いになり現時点では実施にはいたらないということになりました。「これはひどい」タグが相当つけられたのでしょうか。
追記その2(2008/7/20)
NIH PAPについては,課金とPMC以外のリポジトリにも登録できないという制限もなくなったものを暫定版として,今後試行していくようです。
http://www.apa.org/journals/authors/pubmed-deposit.html
Directory of Open Access Journals in Japan公開
- 2008年7月 9日 18:03
実践女子大学図書館・短期大学図書館が「Directory of Open Access Journals in Japan」を公開していました。収録タイトル数は約10,160誌で,査読誌だけでなくPR誌,一般誌なども含まれているそうです。DOAJ本家とは多少位置づけは異なりますが,日本には欠けていたサービスですので,これによってIR謝絶も減るということになるかもしれません。
収集原則と収録タイトル元は以下の通りです。
◆収録の原則
・ウェブ上に掲載された学術的内容を伴う雑誌(必ずしも査読付き雑誌だけに限定しない)
・無償で雑誌の中身(論文・記事)が提供されていること(閲覧が登録制雑誌も含む)
・大学や研究機関,学会等の学術団体と企業が発行する学会誌や紀要,及びPR誌,一般誌
・全国の大学及び研究機関等の図書館・図書室で所蔵される可能性のある学術雑誌◆収録内容 約10,160誌(2008年6月末日現在)
・大学サーバ(機関リポジトリ含む)で提供される電子雑誌 約2,300誌
・農林水産研究成果ライブラリーAGROLibで提供される電子雑誌 約880誌
・大学共同利用機関と独立行政法人が提供する電子雑誌 約650誌
・WARP : 国立国会図書館インターネット情報選択的蓄積事業に収録されている雑誌 約1,540誌
・シンクタンクが提供する電子雑誌 約300誌
・都道府県市町村の教育研究センターが提供する電子雑誌 約240誌
・国立情報学研究所が提供するCiNii (NII-ELS) 約2,800誌
・科学技術振興機構が提供するJ-STAGEとJournalArchive 約600誌
・学会,企業,その他が提供する電子雑誌 約320誌 <作業中・増えます>
・保健・環境系の全国公設試験研究機関が提供する電子雑誌 約350誌
・農林水産系の全国公設試験研究機関が提供する電子雑誌 約100誌 <作業中・増えます>
・工業系の全国公設試験研究機関が提供する電子雑誌 約80誌 <作業中・増えます>
NPG,助成研究のセルフアーカイブ無料代行サービスを今年にも開始
- 2008年7月 8日 15:05
NPGが,2008年後半にも,同グループが刊行するタイトルに発表された論文が,NIHやWellcome Trustなどから助成を受けていれば,受理後すぐに著者最終稿のアーカイブへの登録を著者に代わって代行し,PubMed CentralやUK PubMed Centralへ登録してくれるそうで,今後その他のアーカイブやリポジトリへも対象を拡大するとか(刊行後6ヶ月のエンバーゴ付きはそのまま)。機関リポジトリへの代行登録も行う用意があるそうですが,各大学のリポジトリ担当者にNPGからファイルが送られてくるとかなるのでしょうか。
出版者が持っている論文に対するコントール権はわたさないという意思の現れは,NPGに限ったことではないですが,普通の研究者からすれば何もしなくても各助成機関や大学のOA方針を遵守できるのは魅力的なのは確かでしょう。
http://www.jiscmail.ac.uk/cgi-bin/webadmin?A2=ind0807&L=jisc-repositories&T=0&F=&S=&P=1419
PLoSのビジネスモデルに変化の兆し?
natureのニュース記事によると,PLoSの財務諸表から,依然として支出($6.68m)が収益($2.86)を上回っているが,多額の慈善助成金により無借金状態を保っていることがわかったそうです。さらに歳入は,年々増加しており,その理由として2006年末に創刊したPLoS Oneが一役というよりも相当程度寄与している($1.54mの著者支払い料金を得ている)そうです。PLoS Oneは,フラッグシップのPLoS BiologyやMedicineよりもずっと軽い査読をしているだけなので,全2タイトルほど編集費用がかからず,採択率も高いので,掲載数が多ければ多いほどたくさんお金が入ってくるということになります。実際,Oneは2008年以降だけで1200弱の論文を掲載しており,これは2007年全体とほぼ同じとなっているそうです。かといってOneに掲載される論文がいい加減なものかと言えばそうではなく,重要な結果であるとは言えないが方法としてはちゃんとしているものがどんどん掲載されているのが現状なのでしょうか?
ビジネスモデルとしては,BMCは収益がすでに2千万ドルになっており,トップジャーナルを運営するよりも中位のジャーナルを運営する方が,編集やマーケティング費用が安いということもあるので,そちらのほうがむいているのではといったことも触れられています。
PLoS stays afloat with bulk publishing
http://www.nature.com/news/2008/080702/pdf/454011a.pdf
Open-access journal hits rocky times
http://www.nature.com/nature/journal/v441/n7096/pdf/441914a.pdf
PLoS、雑誌投稿料を値上げへ
http://current.ndl.go.jp/node/4134
定点観測:日本の学協会のIR対応200806
日本パーソナリティ心理学会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jspp/pub_jjp/kaisei.pdf
「パーソナリティ研究」掲載論文の転載等に関する申し合わせ 2008年1月
「パーソナリティ研究」に掲載された論文の転載等については当分の間以下のように取り 扱う。
1.「パーソナリティ研究」に掲載された論文の本文全文または大部分を書籍等に転載する際には,原則として論文の第一著者,または書籍等を発行する出版社等が常任理事会に転載の許可を申請し,常任理事会の審議を経て許可するものとする。
2.掲載された論文を機関リポジトリ,論文サーバー等にアップロードする場合には,著者または利用する機関が常任理事会に転載の許可を申請し,常任理事会の審議を経て許可するものとする。許可を得た場合には学会が提供する論文pdfをそのまま利用するか,採択後に提出した最終原稿を用いることとし,採択前の原稿や掲載後に修正された論文は用いない。
組織学会 著作物利用許諾契約書(案)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/aos/pdf/note1.pdf
第2項の規定にかかわらず、本出版物の出版から12か月が経過した後であっ て、甲が乙ないし乙が指定した第三者が管理する本出版物のWeb サイトへの リンクを設定した場合には、甲は、甲自身のWeb サイト、ないし甲の所属する研究教育機関の機関リポジトリにおいて本著作物を利用することができる。
日本農薬学会 第34回編集委員会議事録
http://wwwsoc.nii.ac.jp/pssj2/journal/kiji/kiji33-2.html#03
機関リポジトリの要請に対して,昨年1件承認したこと,今後も著作権が農薬学会にあることを確認の上で基本的に了承していくことについて報告があった.
スタンフォード大学教育学大学院がセルフアーカイブを義務化へ
- 2008年6月27日 08:57
- 大学・研究機関
「The access principle : the case for open access to research and scholarship」で有名な,ジョン・ウィリンスキースタンフォード大学教授が,ELPUB 2008で,同大教育学大学院がセルフアーカイブを義務化することを発表したそうです。
詳細は不明ですが,音頭をとるような人が重要な気がしてこなくもない,最近の流れを感じます。
IR謝絶の光と影
(光と影といったら大げさなのかもしれません)先日のH19年度CSI事業の交流会で,俗にいう「CURATOR謝絶」が竹内先生の発表でふれられていましたが,ちょっと考えさせられる現象だと思いました。
機関リポジトリはILLを変革する,つまり機関リポジトリを通して無料ですぐに論文が入手できる,ILLを依頼してコーヒー一杯分(not I'm Lovin' it)のお金を払って数日待つ必要がないわけで,利用者にとっては至極ありがたい環境が生まれつつあると思います。そういった意味で,IR謝絶は,IR自体の位置づけの補強材料と言えるかもしれません。しかし,千葉大学のIRを見れば無料で読めるというのに,その千葉大学にILLの依頼がくる(しかもそれがその文献へのILL全てではない!)というのは少なくとも以下のような理由があるのではないかと推測します。
1. 図書館内ではどんなに有名なIRでも,その存在が利用者・研究者コミュニティ(学会レベル)に知られていない。(細かい話ですが,CURATORはGoogleで論文を検索すると,検索結果一覧に論文のタイトルが表示されるのではなく「千葉大学学術成果リポジトリ CURATOR」が表示されます。検索結果の下の方に表示されたら,見逃される可能性が高い)→IRを知らせよう
2. ILLを依頼する図書館の担当者が,IRを知らない →IRを教えよう
3. 研究者・学生の検索能力が足らない →IR・情報リテラシー(Google?)を教えよう
図書館内(全国レベルおよび1館レベル)でも,IRに関わりがある集団とそうでない集団とで,IRに対する知識や意識の格差が生まれてきているのではないでしょうか。ということで,「IRはもはや大学図書館サービスの基盤である」ことが望ましいわけですが,まだまだといった感想を抱きました。最初の第一歩として,CiNiiとIRの連携が早く進むと良いと思います。(機関リポジトリの横断検索サイトを作っても使われないと思うので)
PLoS系のIF(2007)
- 2008年6月20日 07:44
- 学術雑誌
2007年のIFが公表されており,PLoS系のタイトルは以下の通りとなっていました。(IFが複数あるタイトルは,2007年から降順)。PLoS Biologyは,相も変わらずBiologyで大差を付けて1位となっています。来年は,PLoS Oneが入ると思われますが,いったいどうなることやら。
PLOS BIOL 13.501,14.101,14.672,13.868
PLOS CLIN TRIALS 0.388
PLOS COMPUT BIOL 6.236,4.914,7.671
PLOS GENET 8.721
PLOS MED 12.601,13.750,8.389
PLOS PATHOG 9.336
第49回科学技術関係資料整備審議会議事録
- 2008年5月28日 07:33
NDLが,「第49回 科学技術関係資料整備審議会議事録」を公開していました。博士論文の電子的提供を巡る議論(誰が何を担当するのか),無償の学術情報の量,恒久保存と識別子の問題などについても言及がありました。